競馬の面白さは、奇跡のような番狂わせが起きるところだと思います。
競馬の中でもっとも面白い瞬間、
それは大穴の馬券を当てることでも、
三冠馬の活躍を見ることでもなく、
わけのわからない謎の馬が、中央のなみいるエリート馬をなぎ倒す、
そんな奇跡のような番狂わせだと思います。
基本的に、競馬で強い馬というのは、生まれた時に決まります。
エリート血統の馬かそれ以外かで、その馬の強さが決まるのです。
ですが、物事には例外があります。
競馬的にたいした血統でない馬、数百万程度のお金で売り買いされる馬が、
なんらかの理由で化けることがあります。
ハイセイコー、オグリキャップ、そしてコスモバルク、
これら地方競馬に左遷された「たいしたことのない馬」が、
歴史に残るような活躍をする事があります。
その中で、もっとも有名な馬がハイセイコーですが、
それ以外にも、この手の馬が競馬界にはたまに出てくるのです。
そんな彼らが行う、「偉大なる番狂わせ」を見るのが、
競馬最大の魅力と言えます。
他にも、無名に近い馬がG1で勝利したり、
最強と呼ばれた名馬が、まさかの伏兵に敗れたり、
その手のドラマが、競馬界の中ではたくさんあります。
それを見ることが、競馬の楽しみだと私は思います。
もちろん、馬の情報を集めて勝ち馬を予測するという楽しみもありますが、
それはあくまで枝葉の物に過ぎません。
競馬とは、賭け事である前に一種のドラマのようなものです。
昔、メークドラマという言葉がはやりましたが、
まさに競馬は、メークドラマなのです。
競馬に絶対はありません。
野球のペナントレースと違い、
競馬の世界は一発勝負なので、
圧倒的な力があるはずの馬が、
ちょっとしたトラブルで崩れることがあります。
これが日本シリーズのように、何戦も行われる戦いなら、
序盤にミスをしてもまだ立て直しが効きますが、
競馬はそういうわけには行きません。
例えば競馬界の最高峰である日本ダービーは、
3歳馬しか出走できないレースなので、
この、たった1回のチャンスをものにできなければ、
どれだけ強い馬でもダービー馬にはなれません。
ワンチャンスしかないから強い馬が勝てるとは限らないところ、
何らかの偶然で、中堅、大穴レベルの馬が番狂わせをするところが
競馬の面白いところなのです。
だから、賭け事に興味が無いなら、
別に無理にお金をかけなくても構いません。
ただレースを見ているだけでも、そこにはドラマがありますし、
競馬特有の面白さがあります。
なので、競馬に興味が無いなら、
まずレースを見るところから始めましょう。
そのうち、競馬の楽しみに気が付くと思います。